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18. マスタリングする - Cubase

Mastering the mixed down audio

[所要時間の目安:60分]
〔初回掲載(暫定公開): 2024.6.3、最終更新: 2024.6.7

「マスタリングで何をするか?」には様々な意見があり、難しい問題です。
このガイドではピークを-6dB程度におさえて作成した2mixを、SNSへのアップロードを想定して、ラウドネス値を-14.0〜13.5LUFS程度まで引き上げる作業をマスタリングとして行うことにします。


(1) テンプレートからプロジェクトを作る
(2) プロジェクトの設定
(3) マスタリングの実施
    A. マスタリングの準備
    B. プラグインの設定
    C. 書き出し(オーディオミックスダウン)の実施
    D. 注意事項
(4) マスタリング結果の確認
(5) マスタリングの実施(2回目)
(6) マスタリングの実施(3回目)
(7) 作業後のファイルの所在


(1) テンプレートからプロジェクトを作る

Cubaseにはあらかじめマスタリング用プロジェクトのテンプレートが入っています。ここではそれをそのまま使うことにします。

  • Hubでマスタリングを選びます@
  • 既定の場所を使用を選びA、プロジェクトフォルダー名を入力しますB。"20240602_mastering"としておきます
  • テンプレートのメンバーを選択状態にしCて、作成Dをクリックします
Hub


こんな感じでプロジェクトが開きます。

プロジェクト


中身を確認してみるとStereo Outに"Stereo Enhancer"と"VST Dynamics"が刺さっているだけとわかります。
テンプレートの説明書きでは「EQであなた好みのテイストに仕上げてください...」みたいなこことが書かれているようです。

プロジェクトの内容


ここでプロジェクトに名前を付けて一旦保存しておきます。

プロジェクトを保管


(2) プロジェクトの設定

このガイドでは2mixと同じサンプリング周波数、ビット深度でファイルを書き出すことにします。あらかじめプロジェクトの設定もそれに合わせておくことにします。

  • 「録音形式」@のところをクリックしてプロジェクト設定画面を開きます
  • サンプリングレートとビット解像度をそれぞれ48kHz、24bitに設定します
サンプリングファクター


  • Mixdownトラックを選択状態@にします
  • 2mixのオーディオファイルABCを読み込みます
2mixを読み込む


2mixとCubaseの小節位置は合っていないので、ここでは時間表示の基準を「秒」に設定することにします。

  • プロジェクト設定を開きます@
  • プロジェクトタイムディスプレイの表示の単位を「秒」に変更しますA
  • ルーラーなどの表示単位が変わりますB
表示単位の変更


(3) マスタリングの実施

A. マスタリングの準備

2mix中の音量が一番上がるあたりを聴きながら各種の設定を行うことにします。

  • ツールを範囲選択に持ち替え@、音量が一番上がるあたりをドラッグして選択状態にしますA
  • [P]を押して左右ロケーターを範囲選択の両端に設定します
  • サイクル再生状態にしますB
  • 右ゾーンはCRを選んでおけばC、再生音量の調整が容易ですD
  • スタジオメニューからControl Roomを開き、「メーター」Eを選んでおきます
  • タブは「ラウドネス」Eを選んでおくと良いと思います
マスタリングの設定


B. プラグインの設定

  • Stereo Outのチャンネル設定を開きます@
  • 刺さっている二つのプラグインの設定画面を開きますABC
プラグインの設定画面を開く


Stereo Enhancerの設定

Stereo Enhancerは音場を左右に広げるものです。ここではこのままの設定で使うことにします。
わかりにくいかもしれませんが、バイパスして効果を確認してみてください。

Stereo Enhancer


VSTDynamicsの設定

VSTDynamicsにはGATE, COMPRESSOR, LIMITERが入っていますが、すべてOFFになっています。

VSTDynamicsの初期状態


COMPRESSORの設定

COMPRESSORを軽く設定して様子を見ることにします。

  • COMPRESSORをONにします@
  • ゲインリダクション(かかり具合)が-2dBA近辺になるようにスレッショルド(閾値)Bを左に絞っていきます
  • Bを回す都度Aをクリックしないと数値が変わらない場合があります
コンプレッサーの設定


LIMITERの設定

  • LIMITERをONにします@
  • ゲインリダクション(かかり具合)はAです
リミッターの設定


このリミッターには入力レベル調整がなくスレッショルドは0dB固定なので、効かせるにはコンプレッサーの出力音量を上げる必要があります。

  • COMPRESSORのMAKE-UPのAUTOをOFFにし@、MAKE-UPを上げていきますA
  • LIMITERの-2dB近辺Bを目安とします
  • またTrue PearkCは0dBを超えないようにした方が良いかもしれません
  • メーター表示はDでリセットできます
メイクアップの設定


C. 書き出し(オーディオミックスダウン)の実施

ここまでの設定で一旦書き出してみます。

  • ツールをオブジェクト選択に持ち替え@、2mixのオーディオイベントを選択状態にしますA
  • [P]を押して左右ロケーターを2mixの両端に設定します
  • ファイルメニューからオーディオミックスダウンを開きますB
オーディオミックスダウンを開く


  • 書き出し元はStereo Outです@
  • ファイル名は"20240602_mastering-01"としておきますA
  • ファイル形式をBのように設定します
  • 「オーディオトラックを作成」を指定しますB
オーディオミックスダウンの設定


D. 注意事項

  • オーディオミックスダウンが終了するとオーディオファイルが作成されます
  • このプロジェクトではStereo Outにプラグインが刺さっているのでこれらをバイパスしないと再生時に二重にプラグインを通ることになりますAB
  • また2mixもミュートする必要がありますC
オーディオミックスダウンの後


(4) マスタリング結果の確認

マスタリングの結果を解析してみます。

  • オーディオミックスダウンで作成されたオーディオイベントを選択します@
  • Audioメニューの「解析」を実行しますA
  • 解析結果が表示されますB
解析


主なポイントはピークとIntegrated Lodnessです。

  • 右のTrue Peakが0dBを超えています@
  • Integrated Lodnessは-13LUFS2Aと、SNSに上げることを前提とする場合は数値としては悪くありません
解析のポイント


(5) マスタリングの実施(2回目)

2回目のマスタリングを行います。

  • 一回目のマスタリング時のオーディオイベントをミュートします@。トラックのミュートでも良いですが、こちらの方がミュートを誤解除を避けられます
  • 2mixトラックがミュートされていないことを確認ますA
再マスタリングの準備


  • Stereo Outのプラグインバイパスを解除し@、VSTDynamicsの画面を開きますA
  • LIMITTERのOUTPUTを少し下げますB
プラグインの調整


  • オーディオミックスダウンを再実行します。ファイル名は"20240602_mastering-02"とします@
再マスタリングの実行


  • オーディオミックスダウンを再実行した結果を解析してみます
  • 右のTrue Peakがまだ0dBを超えてます@
  • Integrated Lodnessは少し下がりましたA
再マスタリング結果の解析


(6) マスタリングの実施(3回目)

3回目のマスタリングを行います。

  • LIMITERのOUTPUTを少し下げます@
  • ラウドネスが下がった対応として、COMPRESSORの出力を少し上げてみますA
3回目のマスタリング設定


3回目のマスタリングが終わりました。余計トラックはミュートしてあります。

3回目のマスタリング設定


  • 結果を解析してみます
  • True Peakの0dB超えは解消しました@
  • Integrated Lodnessは少し下がりましたが、許容範囲としますA
再マスタリング結果の解析


(7) 作業後のファイルの所在

  • プロジェクトを保存して閉じ、Hubを「最近使用した」にもどしておきます@
  • プロジェクトはAのように表示されます
作業後のHub


  • 完成したマスタリングのファイルはプロジェクトフォルダー内のMixdownフォルダーにありますA
  • これはオーディオミックスダウン時に設定されていたところです@
マスタリング済みファイル