Cubase 13版の初心者向け操作ガイドを暫定公開中です
『Cubase 13 操作ガイド(初心者向けコース)』-『15. ミックスする』
このページは初心者向けガイド『初めての Cubase 12 で歌ってみたをミックスする』の一部です。
「4.ミックスする」では、いわゆる"2MIX"を作るためのミキシングを行います。 オケとボーカルを同じヘッドホンやスピーカーで一緒にならせている時点ですでにミックスは行われているわけですが、ここでいうミックスとは鑑賞する音楽作品としての体裁を整える作業とします。
この記事は以下の内容で構成しています。
Cubaseを起動してプロジェクト:my-project を開きます。
"下ゾーン(Lower Zone)"が表示されている場合は、邪魔なので非表示に切り替えます。
この時点でプロジェクトには2つのオーディオトラックがあります。 ここではミキシングに先立ち、各トラックの状態をオーディオ解析を使って把握し、最低限行っておいた方がよさそうな事前設定を行います。
まずカラオケです。トラック off_vocal のイベントをクリックして選択状態にし、Audioメニューの「解析」を選ぶと解析が始まり、結果が表示されます。
このトラックのピーク(最大音量)は -0.37dB です。ほぼ最大(0dB)に近い値となっています
同様にボーカルトラックを解析します。
ボーカルはいっぱいいっぱいの 0dB になっています。
両トラックともピークが 0dBに またはそれに近い値の為、同時に鳴らせば出力先のトラック(Stereo Out)でレベルオーバーに至ります。トラックやチャンネルのキャパシティはすべて同じだからです。 そこでここではオケとボーカルの両方のフェーダーを-6dBまで落とすことにします。
このガイドでは下図のような音声の流れ(ルーティング)を考えてみます。
ここからは区間ループで再生しながら作業を行っていきます。 楽曲の中でもっとも音量が上がりそうなとこ(サビの部分など)を約10秒程度を左右ロケーターで挟み、サイクルモードをオンにして再生しながら作業します。 [Ctrl]+テンキーパッド[1]で左ロケーター設定、[Ctrl]+テンキーパッド[2]で右ロケーター設定、テンキーパッド[/]でサイクルONです。
ボーカル音声にコンプレッサーとイコライザーをインサートします。ルーティングの矢印の部分です。
まずコンプレッサー(以下 COMP)をインサートします。 ボーカルトラックをクリックして選択状態にし、[e]ボタンをクリックします【@】。開いたチャンネル設定パネルの表示をEQに切り替えます【A】(これはプラグインインサートとは直接関係ありません)。 一番上のインサートスロットの右端をクリックするとプラグインリストが表示されるので"Dynamics"カテゴリを開き、"Compressor"を選びます【C】。
圧縮レシオは8.00:1【@】、ANALYSISは中間【A】、スレッショルドはゲインリダクション(GR)が最大で -3dB 程度まで触れる位置に設定することとします【B】。 実際には録り音の状態に応じて設定を細かく試行すべきだと思いますが、このガイドは Cubase 12 の使い方を説明するものであるため、画像のように設定することにとどめておきます。 なお、プラグインの設定パネルはスロットの[e]ボタンで閉じたり開いたりできます【C】。
次に、コンプレッサーの下にイコライザー(以下 EQ)としてStudio EQをインサートします。 「COMPとEQはどちらを先にすべきか」という議論があると思いますが、このガイドでは COMP のあとに EQを掛けることにします。
ここでは160Hz以下を落とすことにします。 【@】をオンにするとリアルタイムでスペクトラムが表示されます。これは常にオンにしておけば良いと思います。【A】のように 160Hz あたりから緩やかに落とすように設定します。 COMPと同様にスロットの[e}ボタンでパネルを開閉できます。
ここで大切な機能について確認しておきます。
特定のトラックの音だけを聞きたい場合にソロボタンをオンにします。このボタンが押されると、Cubaseはそのトラックを鳴らすのに必要なトラック以外をミュート(消音)します。 ルーティングの組み方によっては思うようにソロにできない場合がある点に留意する必要があります。
ソロとは別に、特定のトラックだけを一時的に消音したいミュートを使います。 これもルーティングの組み方によっては思うようにミュートにできない場合がある点に留意する必要があります。
プラグインの効果を確認するために処理をバイパスしたい場合があります。特定のプラグインをバイパスしたい場合は【@】を、全部を一度にバイパスしたい場合は【A】をクリックします。
ボーカルにエコー(以下、リバーブ、残響)を掛けるためのFXチャンネルトラックを作ります。
ボーカルトラックを選んだ状態【@】でトラック名下の余白を右クリック【A】し、「選択チャンネルにFXチャンネルを追加...」を選ぶ【B】と「トラックを追加」が開きます。 エフェクトの右端をクリック【C】してプラグインリストから RoomWorks を選びます【D】。そのほかの項目を【E】のように設定して【F】でトラックを追加します。
追加されたFXチャンネルトラックのチャンネル設定を開き【@】、インサートスロットの[e]をクリック【A】して RoomWorks の設定を行います。 ここで使う RoomWorks は初期状態では原音が混じるようになっています。これをリバーブ音だけが鳴るように設定します【B】。また、高域の減衰量を持ち上げておきます【C】。このプラグインは初期状態では残響音の高域に伸びがないために残響感が乏しいためです。 残響の広がりを少し抑えたほうが良い場合もあります【D】。また、より効果を実感できるように残響時間を少し伸ばしておきます【E】。
リバーブの設定もこの程度にとどめますが、大事な設定を一つ。 この状態ではボーカルトラックにはリバーブがかからない場合があるかもしれません。ボーカルトラック【@】のチャンネル設定を開き FXチャンネルトラックへのセンドがON【A】になっていいることを確認します。
プロジェクトカーソルを頭に戻し、曲を通して再生し、FXチャンネルトラックやすべてのプラグインに音声が流れていることを確認します。
できればここからはヘッドホンではなくモニタースピーカーを使ったほうが良いと思います。
曲を聴きながらボーカルトラックとFXチャンネルトラックのフェーダーを操作しながら音量バランスを決めます。
通して再生してレベルオーバーになっているところがないことを確認します。これまでの工程の途中ででレベルオーバーが生じているかもしれません。赤くなった部分トラックがあればクリック【矢印】して事前に消してください。 通して再生してレベルオーバーになっているところがあればフェーダーを下げます。
ここでのマスターチャンネルとは "Stereo Out" のことです。一番最後に通るステレオのチャンネルです。ここにリミッター・プラグインをインサートします。 プラグインのインサートは MIX Console から行うこともできます。"INSERTS"をクリック【@】すると内訳が開きます。スロットの右をクリック【A】するとおなじみのプラグインリストが開くので"Limiter"【3】を選びます。
プロジェクト画面の右端のレベルメーターをよく見ると上下で二色に別れています。下段の少し色の濃いところ【@】はピークと少し遅れて滑らかに上下します。これは RMS を示しています。 もっとも音量が大きいときにの RMS が-15dBくらいになるまで Limiter の入力レベルを上げます。
このガイドでのミキシングはここまでとしておきます。
録音を終えたらプロジェクトを保存して、Cubaseを終了させます。
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