この記事では数小節を区間ループさせながらオーディオ録音し、作成される複数のテイクの措置に関するトピックをまとめます。
テイクを残しながら区間ループ録音を繰り返すにはオーディオ録音モードを画像のように設定します。 また、トラックリストの「レーンを表示」はオンにしておけばテイクが録られる状態をリアルタイムに見ることができます。
サイクル録音は通常の手順と同じです。左右ロケーターで範囲を指定し、サイクル状態に設定【@】して録音ボタン【A】を押します。
繰り返しの都度、レーンが追加されて【B】テイクが録られます【C】。
録音後に再生すると最後に録られたテイクが選定された状態になります。録音終了位置によっては複数レーンに跨った状態になります。
ツールボックスからコンピングツール【@】を選択して古いテイクをクリックすると比較試聴が簡単に行えます。
サイクル状態で再生を開始し、コンピングツールで任意のテイクをクリックする【A】とそのテイクが選択され【B】、おなじところでもう一度クリックすると元のテイクに戻ります。
ここでは最後のテイクを採用することにします。
ボツにしたテイクは残しておいても良いですが、必要な部分のみを残して1つのテイクにまとめることができます。
全てのテイクを選択し【@】、「重複するイベントを削除」【A】を行います。
ひとつのレーンにまとめたテイクをひとつのオーディオファイルできます。
全てのテイクを選択し【@】、「選択イベントから独立ファイルを作成」【A】を行います。イベントの置き換えを確認するダイアログに「置き換え」を返します【B】。
Cubaseは複数テイクの部分部分を切り貼りしてテイクを合成する機能を提供しています。
【補足:この節の位置づけについて】
この説の内容は当記事の「3.ベスト・テイクの選定」と「4.不要なテイクの削除」の間に入るものです。内容としては一歩進めた内容の為、末尾の節としました。
最初にコンプツールを試用して一番ベストに近いテイク選びます。
選んだテイクのなかで差し替えたい箇所をコンプツールでドラッグする(クリックしてなぞる)とその部分を全テイクにわたって分割することができます。 この切り離し操作はスナップによって境界が拘束されます。
なお、分割位置はコンプツールのドラッグによって後から前後に移動させることができます。 コンプツールで分割した境界をポイントするとカーソルが[←||→]のような形に変わります。その状態でクリックしたまま左右に動かすと分割位置が変更できます。
コンプツールでクリックすることによって差し替えたいテイクを選びます。クリックする都度テイクが切り替わるので、簡単に比較できます。
他にも差し替えたい箇所がある場合は(2)と(3)を繰り返します。
テイクの切り貼りが終わったら、必要に応じて「4.不要なテイクの削除」や「5.残したテイクを1つのオーディオファイルにする」を行います。
複数テイクの部分部分のつながりをクロスフェードで滑らかにすることができますが、範囲選択でのクロスフェードには注意点があります。