この記事は非常に面倒な内容です。ただ単にインストゥルメントトラックやMIDIトラックに打ち込んだものをハード・シンセサイザーで鳴らして録音するだけならこんな面倒な仕組みを使う必要はありません。 下記の記事を参考にしてください。
(2022.06.19 追記)
Cubaseは外部MIDI音源(ハードウェアシンセサイザーなど)をプラグインのように使う方法を提供しています。
これはインストゥルメントトラックで外部MIDI音源を使う方法です。
プラグインのように一括処理でのレンダリングはできませんが、便利な面もあります。
この記事では昔懐かしいMIDI音源モジュール、Roland SC-8850をこの仕組みで使用する例を紹介します。
この記事は以下の内容で構成しています。
〔2021.11.18 新規掲載、2022.06.19 最終更新〕
物類的な接続は画像左から順に以下の通りです。
2入力のオーディオインターフェースの場合は後で作成する外部インストゥルメントバスの設定と競合してしまうので、あらかじめ入力バスを未接続にしておきます。 入力数に余裕があるオーディオインターフェースの場合はこの設定は必要ありません。
オーディオコネクションの外部インストゥルメントタブを選び、"SC-8850"というバスを作ります
外部インストゥルメントバスにオーディオインタフェースの入力ポートを割り当てます。割り当てるのは(1)で入力バスからはずしたポートです。
SC-8850用のMIDIデバイスを作成し、それを外部インストゥルメントバスに関連付けます。 作成するMIDIデバイスの名前は外部インストゥルメントバスと同じにしておいた方が良いと思います。
SC-8850はMIDIインタフェースのMIDI OUT4に繋がっているので、MIDIデバイスにMIDIポートをMIDI OUT4に設定します。
インストゥルメントトラックを作成します。
インストルメントは「外部プラグイン」にある「SC-8850」を選びます。
外部インストゥルメントの利用形態としてはトラックインストゥルメントということになります。
必要な数のMIDIトラックを作成します。各々のMIDIトラックのMIDI情報出力先は外部インストゥルメント用のポートを設定することになります。
これによってインストゥルメントトラックに関連付けられることになり、SOLOなどのトラック操作が連動することになります。
MIDIトラックを選択してMIDIキーボードで演奏したり、実際に打ち込みを行う等して、音が出ることを確認します。
画像はMIDIトラックに実際に打ち込んだものを再生したときのものです。
MIDIトラックに打ち込まれたMIDI情報[1}はSC-8850に送られ[2]、その音はオーディオインタフェースの入力端子[3]からCubaseのインストルメントトラックに戻ってきます[4]。
その後、音声はCubaseのミキサーを通ってStereo Outから出ていきます[5]。
実際の内部処理はどうなっているのかわかりませんが、おおよその流れとしてはそんな感じでしょうか。
外部インストゥルメントの場合、さすがにMIDIトラックに打ち込んだ状態ではインプレイスレンダリングは出来ないようです。試してみましたが、何も起こりませんでした。
この場合のMIDIトラックをオーディオトラックにレンダリングするにはオーディオミックスダウンを行うしかないようです。このとき、実時間指定で行う必要があります。
インストゥルメントトラックに打ち込んだMIDI情報はインプレイスレンダリングでオーディオトラックにすることが可能です。 この場合、Cubaseは自動的に実時間でレンダリングを行います