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Cubase 14 での範囲ツール(Range Tool)の改善内容

〔初回掲載: 2024.11.20、最終更新: 2024.11.20

Cubase 14 で行われた範囲ツール(Range Tool)の改善内容について簡単に解説します。


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スタインバーグのWEBが提供した動画を見ると、どこが変わったのかがよくわかりません。それくらい、範囲ツールを使った自然な操作に見えると思います。

動画を見た後にCubase 13を使うと、かえって不自然に感じるくらい同じ操作ができまないことに気づきます。 つまり、Cubase 14で施された改善は、範囲ツールを使った自然な操作を可能にするものだと筆者は感じました。


Cubase 13 のころもパート(あるいはイベント)の一部を範囲選択してそのまま移動やコピーが可能でしたが、このような操作が適用される編集操作が増えたということです。 多くの場合にパート(あるいはイベント)の一部を編集するときに、いちいち事前に分割する必要がなくなったといえると思います。


以下、よく使いそうな操作をいくつかあげてみます。


1. 範囲指定でのミュート
2. 範囲指定での位相反転
3. 範囲指定での結合(のり)
4. 範囲指定での移動
5. 範囲指定でのパート/イベントの中身の移動
6. 範囲指定での移動(移動先イベントと重ならない)


Here is a brief explanation of the improvements made to the Range Tool in Cubase 14.


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1. 範囲指定でのミュート

Cubase 13まではパート(あるいはイベント)の途中部分をミュートする場合は、該当箇所を分割したうえでミュートしなければなりませんでしたが、Cubase 14 ではパートの途中部分を範囲選択した状態で一挙に分割、ミュートができるようになりました。

Cubase 13でこれと同じ操作を行っても何も起こりません。

範囲指定でのミュート


2. 範囲指定での位相反転

パート(あるいはイベント)の途中部分を範囲指定して位相反転すると、該当箇所の分割、位相反転が一度に行われます。

Cubase 13でこれと同じ操作を行うとベント全体の位相反転になります。

範囲指定での位相反転


3. 範囲指定での結合(のり)

パート(あるいはイベント)の途中部分を範囲指定して「のり」を実行すると、範囲選択にかかっている結合可能なイベントが一体になります。

Cubase 13でこれと同じ操作をこころみても「のり」がグレーアウト状態のままで選択できません。オブジェクト選択(矢印)で、結合対象イベントを選んでおく必要があります。

範囲指定での結合(のり)


4. 範囲指定での移動

パート(あるいはイベント)の途中部分を範囲指定して、プロジェクトカーソルの位置に移動できます。

Cubase 13でこれと同じ操作をこころみても「移動」のサブメニューからなにも選べません。

範囲指定での移動


5. 範囲指定でのパート/イベントの中身の移動

パート(あるいはイベント)の途中部分を範囲指定して、範囲内の中身のデータを左右に移動できます。

Cubase 13でこれと同じ操作をこころみても何も起こりません。事前にイベントを分割しておけば中身の移動は可能ですが、中身の移動はドラッグしたイベントだけが対象となります。

範囲指定でのパート/イベントの中身の移動


6. 範囲指定での移動(移動先イベントと重ならない)

パート(あるいはイベント)の途中部分を範囲指定して、範囲内の中身のデータを左右に移動できませす。移動の際に前後のイベントと重ならないように移動先のイベントの開始位置(右移動の場合)または終了位置(左移動の場合)が自動的に調整されます(長さが調整されます)。

Cubase 13でこれと同じ操作を行っても選択範囲が左右に動くだけで、編集は行われません。

範囲指定での移動(移動先イベントと重ならない)


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