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Cubase 14 のパターンシーケンサー(Pattern SEQUENCER)の概説と簡単な使い方

〔初回掲載: 2024.11.14、最終更新: 2024.11.14

Cubase 14 の新しい機能であるパターンシーケンサー(Pattern SEQUENCER)について基本的なことを解説します。

スタインバーグからアナウンスされたCubase 14の新機能にPattern SEQUENCERがあるわけですが、実際にはPattern SEQUENCERという機能はなく、あるのはPattern Editorです。 Pattern Editorを使うように指定されたトラックがパターンシーケンサー(Pattern SEQUENCER)として動作する、と言った感じでしょうか。

このページではPattern Editorを中心に解説することにします。

Pattern Editor

1. パターンエディター(Pattern Editor)とは何か
2. どうすればパターンエディターを使えるか
3. パターンエディターの簡単な使い方
  3-1. Retrologueのインストゥルメントトラックを作る
  3-2. パートを作る
  3-3. サイクル再生を開始します
  3-4. ランダムノートを生成する
  3-5. ベロシティを変更変更する
  3-6. ステップの分解能と小節長の変更
  3-7. パターンスの追加とトラックへの配置
4. イベントタイプの変更
5. インストゥルメントの変更



1. パターンエディター(Pattern Editor)とは何か

Pattern Editorは和音を使えるステップシーケンサーといえます。シーケンスする(=演奏する)のはMIDIノートです。 MIDIノートを扱えるトラックにセットアップされます。

Pattern Editor


2. どうすればパターンエディターを使えるか

下記のMIDIイベントを扱えるトラックでイベントタイプに"パターンイベント"を選択した場合、そのトラックを編集しようとするとPattern Editorが開くことになります。

  • MIDIトラック
  • インストゥルメントトラック
  • サンプラートラック
  • ドラムトラック(Cubase 14で新設されたもの)
イベントタイプ


3. パターンエディターの簡単な使い方

ここではあえてドラムではなく、シンセサイザー:Retrologueを使ってみます。

3-1. Retrologueのインストゥルメントトラックを作る

Retrologueのインストゥルメントトラックを作ります。音色はデフォルトのそっけないノコギリ波のままでOKです。音が出る事だけは確認しておきます。

  • Retrologueを使うインストゥルメントトラックを追加します⓵②③④⑤
  • ④は新しい選択項目です「パターンイベント」を選びます
  • MIDIキーボードもしくはRetrologueの鍵盤⑥をクリックして音が出ることを確認しておきます
Retrologueのインストゥルメントトラックを作る


3-2. パートを作る

トラックの余白をダブルクリックすると1小節分のパートが作成されます。 この画像では1小節分を左右ロケーターで挟んでいますが、そうでない場合でもダブルクリックで1小節分のパートが作られるのはCubase 14の新機能です。

  • 下ゾーンでエディター①を選んでいることを確認します
  • インストゥルメントトラック上の余白②をダブルクリックして、パートを作ります③
パートを作る


3-3. サイクル再生を開始します

打ち込まれた音をモニターしやすいように、以降の作業はサイクル再生しながら行います。

  • 左右ロケーターで打ち込んだ演奏情報を挟みます①②
  • サイクルモードオンにし③、再生を開始します④
サイクル再生を開始


3-4. ランダムノートを生成する

ランダムノートを生成してみます。もちろんマス目をマウスクリックでノートを打ち込んでも構いません。

  • ①をオーバーな値にしておきます
  • ②をクリックするたびにMIDIノートがランダムに生成されます
  • ノートの数を増やしたい場合は"+"③をクリックします
ランダムノートを生成


3-5. ベロシティを変更する

生成したノートのベロシティを変更してみます。

  • ノートを選択状態①にします
  • 「ベロシティー」②を選びます
  • ③でベロシティを変更します。なお、Rerologueの初期状態の音色はベロシティを無視するため、音の強弱は変化しません
ベロシティを変更


3-6. ステップの分解能と小節長の変更

ステップの分解能とパターンの小節長を変えてみます。

  • 分解能(解像度)を1/16から半分の1/32に変更します①
  • 小節当たりのステップ数が32になるので、1小節の後ろ半分が空白②になります
ステップの分解能と小節長の変更


3-7. パターンスの追加とトラックへの配置

新しいパターンを追加してトラック上に配置してみます。

  • ①をクリックして「新規パターン」②を選ぶと新しいパートを作成できます
  • トラック上の既存パートをコピーしてID番号をパターンに合わせます③
パターンスの追加とトラックへの配置


4. イベントタイプの変更

トラックのイベントタイプはあとから変更することができます。パターンからMIDIノートに変更すると通常のエディター(キーエディターなど)が開くようになりますが、パートはいったん削除する必要があるようです。打ち込んだノートをキープしたままでパターンエディターからキーエディターに切り替えることはできないようです。

  • インスペクターのイベントタイプを「MIDIパート」①に変更します
  • 既存のパターンイベントは削除する必要があるようです②
  • トラック上の余白をダブルクリックしてパートを作ると従来のパートが作成されます③
イベントタイプの変更


5. インストゥルメントの変更

インストゥルメントを変更することもできます。ここではGroove Agent SEに変えてみます。

  • インストルメントを選び直します①。Groove Agent SEを選び、キットをロードします②
  • 鳴らしたいパッド③に合わせてノート(音程)を変更します④
インストゥルメントの変更